生理前にイライラするなどの女性特有の悩み、月経前症候群(PMS)は、男性にはまだ認知度は低いものの、女性にはよく知られるようになりました。

そして、PMSと関連した症状に月経前不快気分障害(PMDD)というものがありますが、こちらはまだ日本ではよく知られていません。

月経前不快気分障害の症状は月経前症候群とよく似ていますが、さらに症状が重いためによく頭に入れておき、疑わしい症状があれば早めに対処しておきたいところです。

月経前不快気分障害とは一体どのような症状なのか、そして、どのように対処していけばいいのか説明していきましょう。

精神的に重い症状が現れる月経前不快気分障害(PMDD)とは?

女性の体は妊娠準備のため、生理前になると女性ホルモンのバランスが変化して、体に様々な変化が現れます。この体の変化が、胸の張りや腹痛などの身体的な症状や、イライラなどの精神的な症状など不快な症状として現れるのが月経前症候群(PMS)です。

月経前不快気分障害(PMDD)も生理前に起こる症状で、生理の2週間くらい前から症状が出て、生理が始まると症状が消えます。月経前症候群にも人によって症状の程度に差がありますが、日常生活に支障があるような状態を月経前不快気分障害と呼びます。

その症状は、精神的な症状が強く出るのが特徴で、月経のある女性の3~5%が月経前不快気分障害に当たるとされています。うつ病に似た症状で、重症度としても期間が限定されているとは言え、うつ病に匹敵するような危険な状態と考えられ、海外ではうつ病の一つととらえられています。

精神的な症状では我慢してしまったり、情緒不安定な自分を責めて追い込んでいったり、と症状が自覚できずに適切な対処ができていないことも多いのが月経前不快気分障害。最悪の場合は自殺に追い込まれる可能性まであるため、早めに専門機関を受診するなどの対策を取りましょう。

月経前不快気分障害の症状をチェック

症状の程度に差はありますが、月経前不快気分障害が疑われる症状をチェックして、自分の精神状態を把握しておくことが大切です。月経前不快気分障害には診断基準があり、どれくらい当てはまるかで重症度も変わります。

次に挙げるのは簡単に月経前不快気分障害の症状を表したものですが、もし気になる症状があれば、専門機関できちんとした判断を仰いでください。

  • 激しいうつ状態や絶望感、自己を卑下するなどの感情
  • 不安や強い緊張感、いら立ちを覚える
  • 突然悲しくなったり、涙が出る、他人からの拒絶に傷つくなど情緒不安定な状態
  • 激しい怒りや些細なことで怒る、人間関係のトラブルが起こりやすい
  • 家事や仕事などに興味がなくなる
  • 集中力が著しく低下
  • 気力の低下、倦怠感、疲労感が強く出る
  • 過食や偏食など食欲の大きな変化
  • 不眠や過眠
  • 圧倒されたり、自己を制御できないような状態
  • 乳房の張りや頭痛、関節痛、筋肉痛、膨満感、体重増加などの身体的な症状

月経前不快気分障害の場合は精神科で診察を

月経前症候群の場合は婦人科を受診しますが、月経前不快気分障害の症状と考えられる場合は精神科を受診した方がより適切な治療を受けることができます。月経前不快気分障害の原因はホルモンバランスの乱れも考えられますが、幸せホルモンのセロトニンの不足が大きな原因という説が有力となっています。

そのため、月経前症候群のようにホルモンバランスを整える低用量ピルなどが処方されることもありますが、治療の中心はセロトニンを増やす抗うつ薬や精神安定剤などが使用されることが多いのです。まずは自分の状態を正しく把握して、精神状態を悪化させないように備えておきたいですね。