空気が乾燥している秋冬ならともかく、湿気の多い梅雨時や台風シーズンでも不思議とお肌が乾燥してしまうことがあります。ひどい乾燥肌に悩まされている方は、肌に合うクレンジングやコスメを探し続け、探し疲れて体質だからと諦めてしまう事も多いのです。
乾燥肌予防には確かにコスメ選びも大事なことなのですが、年間を通じてお肌が乾燥しているのなら、問題はスキンケアではない可能性もあります。
かゆみを伴う乾燥は糖尿病が原因かも
糖尿病は食べ過ぎによる贅沢病、太った人という間違ったイメージを持っている方もまだ多いようです。しかし、実際には、子供、小食だったり痩せ型でも、糖尿病に罹ってしまうこともあるんです。
インスリンの生産を行う、すい臓のβ細胞が故障したことによる糖尿病1型の場合は、医療機関での治療が必須です。ストレスや生活習慣などにより、一時的にインスリンの分泌量が減る2型の場合は、生活習慣の見直しで軽減できるものです。
糖尿病になると、肌の保水量が低下してお肌は乾き、感染症にも罹りやすく治りにくくなってしまいます。保湿をしているのに肌がカサカサして潤わない、かゆみがおさまらない、トイレが近い、疲れやすいなどの症状がある場合は、糖尿病からくる乾燥肌なのかも知れませんよ。
糖尿病で乾燥肌になる理由は?
そもそも糖尿病とは、インスリンの働きが悪くなり、血液中のブドウ糖を細胞に摂り込む力が弱まり、いつまでも血糖値が高くなり過ぎているというものです。ブドウ糖を摂り込めない細胞は活動が弱まり、免疫力や代謝の低下を引き起こします。
免疫力が低下していれば、健康な肌には影響のないような細菌でも感染しやすくなりますし、当然治るのにも時間がかかります。代謝が低下していれば、新しい肌の生成にも時間がかかり、肌サイクルの乱れから肌トラブルを招きます。
また、糖を排出するためには水分が必要となり、やけに喉が渇く、頻尿、多尿などの症状が出やすくなります。糖を排出するのに水分を大量に消費してしまうため、体は軽い脱水症状を起こしてしまいます。さらに汗をかく量も減少するため、肌刺激や水分の蒸発を防ぐための皮脂が不足し、敏感肌や乾燥肌になってしまうんですね。
お肌のためにできる予防対策
糖尿病は感染症を起こしやすいので、お肌は常に清潔に保っておきたいところです。毎日の入浴はもちろんですが、特に雑菌の繁殖しやすい足やワキ、陰部、背中、雑菌に触れやすい手のひらはしっかりと洗浄するように心がけましょう。
掻き毟りかによる傷や感染を防ぐためには、爪は短く切ってヤスリで丸め、爪ブラシなどで爪の隙間の汚れも落とすようにしましょう。高温のシャワーや入浴は、肌の皮脂や保湿因子を奪ってしまいますので、ぬるめのお湯で短時間で済ませることも大切です。
もちろんスキンケアはしっかりと、化粧水や美容液の後にはクリームを薄く塗り、蒸れやすいワキや足裏にはパウダーを叩いておくと良いですね。
糖尿病対策で乾燥肌を軽減
毎日3回、規則正しい時間に食事を行うのは基本です。食事は血糖値の急激な変化を起こす、糖質の高いものは控えるか、血糖値の急変を抑える作用のある食物繊維の多いものを先に口にするようにしましょう。
飽和脂肪酸はインスリンの効き目を悪くしてしまうため、バター、脂の多い肉、スナック菓子など、飽和脂肪酸の多く含まれるものは食べ過ぎないようにしましょう。
ウォーキング程度の軽い有酸素運動は、血糖値を下げる効果が高いばかりか、インスリンの生産量の向上効果もありますので、時間のあるときにはのんびりとお散歩してみるのも良いものですよ。
シーズンを問わずに乾燥するお肌は、もしかしたら糖尿病から来るものかも知れません。生活習慣の見直しを行い、糖尿病の症状を軽減し、体の中から元気なお肌を作りましょう。